楕円偏光

elliptic polarization of light

供花2

母の火葬が終わった 母の遺体は骨だけになり、骨壺におさめられた 感情的になってはいるものの、実家で飼っていたウサギが死んだときのほうが、好きだった音楽家が死んだときのほうが、よほどショックを受けていたような気がする 一方で自分が受けるショック…

供花

母が死んだ 母の母である祖母が亡くなって、十年経たず亡くなった、74歳で老衰だった 彼女は自分が十年後生きていないということをわかっていただろうか、64歳の当時、母を見送るとき、自分の老いを想像できていたのだろうか 初めて母のいない夜を生きる 母…

夢裡

真新しい端末を手にしたので、以前はデバイスの許容量にあわせてインストールをしていなかったアプリケーションをダウンロードして便利さを甘受していた feedlyもその中のひとつで、これからまた使って楽しみをさがしていこうとインストールした そのなかに…

懇款

体の調子についての自信がからきしになった昨年とは打って変わって、今年はいまのところ上々の日々のように思う 昨年末に思い切って畳付き檜木ベッドフレームを買った、いろいろ見て回る体力など当てがなかったのでニトリのオンラインショップで注文した 昨…

模様

薄情な人間でいたくはない、身近の他人に薄情と思われたくないという考えに占拠されてしまうことがあり、自分が薄情だとなかなか認められないことがあるが、そうとはいっても、私は薄情な人間だと思う 昨年一月、Twitterと距離を取ることにした 三が日から調…

瘡蓋

家にいる年長のほうの猫の左後ろ足の外側の指の爪が根元のあたりから剥がれてしまっており、恐らく年少のほうの猫との取っ組み合いの末の負傷であるのだろうが、赤い肉が生々しく見えているのでこの爪は新しく生えてきてくれるのだろうかと心配にかられている…

羨望

一年ぶりと言っても差し支えない記事の投稿である わかりやすくイベントが起こったのでほれきたとばかりに投稿ボタンを押下した次第である 以前、性交渉したり旅行をしたりした相手のブログをRSSで受信して更新のたびに目を通しているのだが、このたび、「結…

月影

今年最初で最後のはてなブログの投稿になった もう少し書けたら良さそうなのに 昼間に赤ワインに適当に蜂蜜とオレンジジュースを入れて電子レンジであたためたのち香りづけにシナモンパウダーを振ったものを飲んだのだが、先程同じものをもう一度飲んだ しか…

温習

誕生日を日々のせわしなさに忙殺される感覚をおぼえてみたい 当日は夫が毎年仕事なので、前日に休暇を取って外食したり映画を見たりした 祝日のきょう、だらだらとひとりで過ごした 最終的にハードシードルを飲んで日付がかわろうとしている 男から連絡がく…

夢中

2リットルサイズのペットボトル入りの水をコップにそそぎもせず口飲みしながら特段の事情もなく深夜に食い下がる 私には夫が一人いる その夫はすでに明日の労働に備えて布団を目深にかぶって夢の中 夫の寝室から居間が見えるので、頭部の鼻から上を寝具から…

偕老

夫婦が題材の中心にある映画を見るのが続いている そして父になる、ぐるりのこと。、さよなら渓谷 自分が当事者の立場を経験していることもあってか、子供の頃はこんなの見てもよくわからずに、そういうこともあるんだーへーあっそうー、で終わっていたもの…

葬送

祖母が亡くなった 母方の祖母だ、自分は彼女から名前の一字を頂戴している そして彼女以外の祖母、つまり父方の祖母は自分が生まれる前に亡くなっているので実際におばあちゃんとして慣れ親しんでいたただひとりのひとだ 二十八日の早朝に息を引き取り、二十…

狷介

水道水をめいっぱいに入れたケトルのスイッチを入れてお湯を沸かし料理に使うのではなく飲み物に使うことに余念がないほどには気温が下がったことも災いしてか隣人が咳のみが執拗に続く感冒を患っているのだが、それに引き摺られてか身体の寒気を見て見ぬ振…

清和

四月末に職を辞する前の有給休暇二十日分余りから、誇れるほどではないにしろ程々に職業安定所に赴いては求人情報を品定めし紹介状と履歴書を持参して正装で企業に赴くなどの活動を数回しているが、思ったとおりそう快い返事を方々から受けられるはずもなく…

寒暁

落ち着いたのは年の数の入れ替えに自分の気分が巻き込まれていたことからであり、ましてや男との戯言まがいな交流が鳴りを潜めただなんてことを今更くちからついてでることも憚るべきことであるはずなのに、それは未来の中で為されることである予感がして私…